京都は仏教系学校の多い土地柄であるが,仏教系大学・高校を宗派別に整理すると以下のようである。最も系列校が多いのは浄土宗系であり,京都文教大学・高校以外はすべて(学)佛教教育学園と称する単一法人により運営されている。このうち真宗本願寺派(西本願寺)系の学校評価が比較的高いように見受けられる。
宗派 | 大学1 | 大学2 | 高校1 | 高校2 |
真言宗 | 種智院大学 | 嵯峨美術大学 | 洛南高校 | |
浄土宗 | 佛教大学 | 京都華頂大学(女子) 京都文教大学 | 東山高校(男子) | 華頂女子高校 京都文教高校 |
真宗本願寺派 | 龍谷大学 | 京都女子大学 | 龍谷大平安高校 | 京都女子高校 |
真宗大谷派 | 大谷大学 | 京都光華女子大学 | 大谷高校 | 京都光華高校(女子) |
臨済宗 | 花園大学 | 花園高校 |
学校名に「女子」を含まないが,女子校である校名には(女子)を注記している。高校1は現在も男子校である東山を除いて,何れも元の男子校を共学化。高校2は基本的に女子校であり,京都文教高校(旧・家政学園高校)のみ共学化されている。共学化は,短大の4年制大学化と並んで,定員確保のための全国的な趨勢であるが,潜在的な志願者集団が増える訳ではないので,全部の学校が同じことをすれば,結局定員の充足は困難になる。
高校については,既に義務教育化しているため,共学化による定員確保は短期的なものでしかないが,大学については2022年の進学率は50%強であり,まだ伸び代があるとされる。ただ実際には「進学率」の定義は難しく,分子・分母に何を取るかは様々な考え方がある。例えば飛び級で入学する人も,1度社会に出てから入学する人も居るので,分母を18~20歳に取ると過小評価になる可能性があり,分子に留学生を加えると100%を超える国も出てくる。さらに「高等教育」に職業専門学校等,高校卒業後に入学する大学以外の教育機関を加えることも可能である。生涯教育という観点から,65歳時点の最終学歴を調べることはある意味公平だが,それでは教育政策の効果を直ちに評価することはできない。
下表は,(独)労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2023」に掲載されている,OECD諸国の高等教育の教育段階別進学率(2020)である。UNESCOが定める"International Standard Classification of Education" (ISCED)で言えば,レベル6(学士課程)がいわゆる「大学進学率」に相当する。よく比較される韓国であるが,この表では66%なので,日本の現状と比べればまだ15%位は伸びる余地があると見ることもできるが,分母となる同世代人口が減少するので,入学者数の増加に過大な期待は持てない。(なおこの表の元データはOECDの"Education at a Glance 2022"とされるが,下のデータを直接掲載する表は見当たらない。またOECDでは,入学率には"Enrolment rates"を用いる。)
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