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Ronald McDonald House, Phila.

病児の入院・通院時に,付添の家族に宿舎を提供する"Ronald McDonald House"は,全世界に375箇所まで増えているそうだが,最初の施設は1974年にWest Philadelphilaに開設された。(なお日本では「ロナルド」が何故か「ドナルド」に変更されている。)

3925 Chestnut St., Phila.
公式ホームページによると,「フィラデルフィアでアメリカンフットボール選手として活躍していたフレッド・ヒルの3歳の愛娘が白血病にかかり、入院することになりました。 娘の入院中、彼がそこで目の当たりにしたものは、狭い病室で子どもの傍らに折り重なるようにして寝ている母親、やむなく病院の自動販売機で食事を済ませる家族の姿でした。・・・そこで彼は、病院の近くに家族が少しでも安らげる滞在施設ができないものかと考え、病院の近くにあるマクドナルドの店舗のオーナーや病院の医師、フットボールチームの仲間の協力を得て募金活動が進められました。そして、彼らの切実な願いを多くの人たちが分かち合い、1974年フィラデルフィア新聞社が提供してくれた家屋を改造し、世界初の『ドナルド・マクドナルド・ハウス』が誕生しました。」とあるが,掲載されている写真はChestnut通3925番地の現施設であって,設立当初のSpruce通4032番地ではない。

4032 Spruce St., Phila.
Spruce通の南側にはビクトリア調のTown Houseが立ち並んでいたが,Google Street Viewでも余り変化はない。中央のベージュ色建物の左半分が4032番地に相当し,左隣にはA∑Φと称するFraternityが入居している。初代McDonald Houseの前を通っても,特別な施設の存在には気付づかない地味な建物だった。手前に見えるのは旧42系統の軌道だが,今でもMarket通の地下線に支障がある場合に,11-13-34-36系統を地下鉄40丁目駅に接続するための代替ルートとして時折使われる。

McDonald HouseがChestnut通の施設に移転したのは1981年5月である。元々は1893年に,Philadelphia Public Ledgerという新聞(創刊1836年-廃刊1942年)の編集長一族の邸宅として建てられた物件の由だが,1926年に"Andrew Bair Funeral Home"に売却され,長年葬儀場として利用されていた。それがある日,庭に遊具が置かれ,風船で装飾されるなど,イメージが激変したので,驚いたものである。Street Viewには遊具等は映っておらず,また隣接地に宿泊棟が建てられるなど巨大化し,初期の手作り感は無くなった印象を受ける。いずれにせよ,現施設は「新聞」とは多少因縁があるものの,74年の最初の建物取得時に, "Philadelphia Eagles"(アメフトチーム)の援助は受けたとしても,新聞社の援助を受けたという記事は見当たらない。

因みに1970年代以降,Philadelphiaの日刊紙はPhiladelphia Inquirerとタブロイド紙のPhiladelphia Daily Newsの2紙であり,「フィラデルフィア新聞」なる新聞が存在したとは聞かない。現施設への移転当初の事情については,Daily Pennsylvanian記事を参照されたい。
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